一度は耳にしたことがある、ホームステイ。ホストファミリーとの出会いを楽しみにしている方も多いと思います。私は、2019年5月~2020年7月までアイルランドの首都ダブリンで人生初のワーホリ生活を送っていました。現地に到着後6週間はアイリッシュファミリー宅でホームステイをして過ごし、その後はシェアハウスに引っ越しをしました。今回は、私が経験した、アイリッシュファミリーとのホームステイについてお話します。特に、初めてのホームステイで現地での生活が全く想像できずどんな様子か知りたい方や食事などの生活面について事前に情報収集をしておきたい方の参考になると思います。読み終わる頃には、ホームステイってこんな感じなんだ…とイメージが湧いたり、具体的に受けられるサポートはこんな感じね!と頭の中が整理されるかもしれません。
定番の滞在方法と言えばホームステイ
私が選んだ学校は、現地での滞在方法として、ホームステイ・学生寮・自分で家を探すことの3つがありました。私がホームステイを選択した理由は、
- 初めてのワーホリ生活で自力での家探しはハードルが高い
- 費用を抑えたい(学生寮の滞在費用が高額だった)
- 安全面や生活面でのサポートを得たい
- ホームステイを通して日常英会話を学びたい
でした。
ホームステイの申込期間の途中でキャンセルした場合、残りの週数分が返金可能だったのも安心材料でした。
私のホストファミリー
私のホストファミリーは、
- 学生を受け入れて25年以上の超ベテラン
- ホストファザーとホストマザー、ダブリンの高校に留学中のイタリア人の17歳の女の子と一戸建ての家で暮らしていた
- ホストファザーはソーシャルワーカーをしていて、ホストマザーは専業主婦
- ホストファザーは仕事と両立して大学院にも通っており、毎日忙しく過ごしていた
でした。初日にホストファミリー全員に挨拶できることを楽しみにしていましたが、ホストマザーが旅行中で不在だったため、ホストファザーとホームメイトに自己紹介をしました。 ホストマザーには、ホームステイ開始3日後に初めて会い、そこで自己紹介をしました。ホストマザーからも歓迎はされましたが、あなたはもう自立した大人なんだし社会人なんだから、日常生活において何も報告はいらないし、好きにやってと言われ、驚いたのが正直な気持ちでした。週末や祝日は、ホストファザーもホストマザーも予定があったため、一緒に外出をして過ごしたことはありません。お互い干渉し合うのではなく自立した関係で過ごしましょうというのが、基本的方針でした。
優しかったホストファザー
大体の家事は、ホストファザーが仕事と両立しながら積極的にやっていました。ホストファザーはどんな質問にも丁寧に答えてくれて、バスの乗り方や歩く時に安全な道、治安の悪い通りなど、必要時は紙に書いて親切に教えてくれました。ただ、私から声をかけない限りは、挨拶を交わして終わりで、ホストファザーから積極的に声をかけてくることはなかったため、困ったり不安な事があれば自分から声をかけて、確認するようにしました。ホストファザーからは、毎回的確なアドバイスを得る事ができたので、気持ちも安らいで過ごすことができました。
ホームステイ中のルール
ホストマザーからは、
- 朝食は7時頃から自分でシリアルまたはパンを焼いて食べること
- 夕食は18時。もし18時にキッチンにいなかったら、テーブルの上に置いてある夕飯を自分の好きな時間に温めて食べること
- 門限はなし
- 洗濯は毎週木曜日のみ。洗ってほしいものは自室の洗濯籠に入れておくこと
- 週1回、ベッドのシーツ交換と部屋の掃除機がけを私の不在時にホストマザーが行う
- 紅茶またはコーヒーは好きな時に自分で準備して飲んで良い
- シャワー使用に関する特記事項は特になし(常識の範囲内で)
と、初めて会った際に説明を受けました。ただ、食事以外の洗濯やごみ捨ては、自分からお願いしないとそのまま忘れられてしまうこともありました。
ホームステイ中の洗濯事情
ホストマザーに任せておけば大丈夫と思っていたら、ホームステイ開始後初めての木曜日に洗濯を忘れられました。念のため確認すると、あぁ、今日木曜日だったわ、んじゃ、明日やっておくと言われ、翌日に洗濯と乾燥をしてくれました。その後、既に片付けられているはずの洗濯物を探しても見当たらず困っていたところ、ホストファザーがリビングルームで発見し、多分、乾かすためにここに置いてあったんだけど、あなたに伝えるのを忘れちゃってたんだね、ごめんね!と言われ、私、彼女に嫌がられてるのかな?と心配にすらなりました。他にも、乾燥機に入れたまま忘れられたり、外に干したまま忘れられた(雨が降っていても取り込まない)こともありました。後々理解したことですが、天気が変わりやすいアイルランドでは雨が降り出しても洗濯物はそのまま外に干しておくということも多いそうで、そんなもんかぁと思いつつも、洗濯物の清潔さに最初は不安も残りました。
現地の人たちは、雨がやんで乾いたタイミングで取り込む人がほとんどでした。
ホームステイ中の食事
私は朝・夕食付きのプラン(土日祝込み)にしました。
ホームステイ中の朝食
朝食は、
- プレーン味のシリアル
- 食パンとマーマレード+マーガリン
- 牛乳
- 紅茶またはコーヒー
- バナナやりんご等の果物
から好きなものを好きなだけ食べて良く、全て自分で準備する方式でした。6週間滞在しましたが、毎日メニューは同じで、食パンやシリアルがないこともあり、今朝は果物だけかなあ…という日もありました。ホストマザーを朝食時に見かけなかったので、出勤前のホストファザーと少しだけ会話をしながら朝食を摂りました。
ホームステイ中の夕食
夕食の内容は様々でしたが、メニューのパターンは少なく、ワンプレートでの食事で、
- ジャガイモを茹でたもの+骨付きチキンをオーブンで焼いた物+グリーンピース
- ミートソースパスタ
- 冷凍ピザやラザニア
- 既製品のチキンカレーライス
で、これらが数日おきに繰り返し提供されました。冷凍食品や既製品の使用頻度の多さに正直驚きました。もともと薄味好きな私でも味付けは薄く感じ、塩コショウを自分でかけて調整しました。
個人的には野菜が少ないことが心配になりました。
クラスメイトの話を聞いていても、食事について残念がっている人は少なくはありませんでした。中には、ホストファミリーと自分が食べている食事の内容が違い、自分が食べているものより種類が豊富だったり内容が充実している食事を摂っている事が気になると話す学生もいました。
ホストマザーとの関係構築に大苦戦?
私がホストマザーとやりとりをしていて気づいたことは、収入源の一つとして留学生を受け入れていたということ。私の中では、ホストマザー=学生支援をしたい、学生支援をすることが好きな人という先入観があったので、それに気付いたときは正直ショックでした。それもあって、ホストマザーと関わることに苦手意識が芽生えてしまいました。
ワーホリ前に聞いていたホームステイ中の注意点
ホストファミリーと過ごすにあたって、自分が気になることやこうしてほしいと思うことは、我慢せずに伝えるようにと留学センターの方からは事前に言われていました。例えば、
- 夕飯の量が足りないから今の1.5倍位の量にしてほしい
- 朝食にヨーグルトが食べたい
- 洗濯物は外に干さないでほしい
などと、自分の要望を素直に伝えて、自らストレスフルな状況に追い込まないこと、同時に自分がどんなことを考えているのかを知ってもらう努力をすることです。
ホストマザーへの苦手意識を克服のために取り組んだこと
そこで私は、ホストファミリーとのやりとりの中で嬉しかったことなどを素直に伝えるようにしました。いくら苦手意識が芽生えている相手でも、克服への努力が出来ないのならホームステイをする意味がない!と思ったからです。ある日、スクールアクティビティに参加する旨を伝えると、これ持っていきなさいねとランチを持たせてくれたことがありました。大きなジップロックの中に、
- サンドイッチ(バターやマヨネーズなし、ハムのみ)
- りんご・ばなな
- ポテトチップス・チョコレート
が全てひとまとまりになって入っていた事には衝撃を受けましたが、まさかホストマザーがランチを持たせてくれるとは思わず、とても嬉しく思いました。そのため、帰宅後に、
- ハムのサンドイッチが美味しかったこと
- 学校のアクティビティに向かうバスの中でポテトチップスを他の学生と一緒に食べたこと
- 何よりもとても嬉しかったこと
などを素直に伝えたところ、とても嬉しそうにしてくれて、その次に出かけた時は、ハム+マヨネーズ+チーズ+野菜のサンドイッチにグレードアップして持たせてくれました。
自分の関わり方によってホストマザーに変化が…!
相手がホストマザーといえど人間同士のやりとりなので、言葉にして伝える事は重要です。私のホストマザーは自ら話題を振ってくれたり、積極的に話しかけてくれるわけではなかったので、どう関わったらいいのかなと悩んだことも多くありました。ですが、積極的に感想を伝える中で、私がどんな人間なのかを少し理解してもらったあたりから、彼女の雰囲気も柔らかくなり、彼女と過ごす時間も少しだけですが居心地が良くなりました。
どんなときも、環境は自分で良くも悪くも作り出せるものということを実感した出来事でした。
ホストファミリーを通して学んだ事
ホストファミリーと生活していて思ったのは、食事内容や洗濯、掃除など全てにおいて、それが彼らの生活スタイルだと言うことです。素直に受け入れにくい事や、良くも悪くも驚いたことが沢山ありましたが、時間と共に、悪気があってやっているわけではなく、文化が違う所で育ってきた人同士だからこそ起こることなのかなと捉えられるようになりました。
決めつけていた家庭内役割
ホームステイが始まってから、何でホストマザーは家事をやらないんだろう?と何度も疑問に思いました。それは、家事をやるのは女性の役割という概念が無意識のうちに自分の中にあったからですが、ホストファミリーの生活スタイルを見ていて、家庭内役割は当事者が心地よい形を選んでいくのであって、誰かの価値観に左右されるものではないと実感しました。彼らと過ごす中で、多様性を尊重することの重要性を学びました。
さいごに
ホームステイを経験しての感想は、“可もなく不可もなく”と思ったことです。私の場合、あなたは自立した大人だし、好きにやってというホストマザーの方針や、忙しい日々を送っていたホストファザーの様子からホストファミリーとの接点が少ないと正直感じました。そのため、ホストファミリーと英会話を楽しんだり日常英会話を学ぶというより、業務連絡のようなやりとりが中心になっていたと思います。
私にとっては、ホームステイそのものが、私の英語力向上を大きく後押ししたとは考えにくいのが本音ですが、身の回りのことを心配しなくて良かったことで、肉体・精神的負担が軽減し学校での勉強に打ち込むことが出来ました。英語学習に集中できたことは、短期間での英語力向上を最大の目標にしていた自分にとって勿論プラスな出来事です。ホームステイを経験したから分かった事ですが、ホストファミリーにもホストファミリーの生活スタイルがあり、留学生をいつも気にして生活しているわけではないこと、留学生=特別ではないことを実感しました。
また、クラスメイトの話を聞いていて思いましたが、ホストファミリーの性格は勿論、金銭的・時間的余裕も留学生への対応に良くも悪くも影響すると感じました。
ぜひ参考にしてください!
では、また次の記事でお会いしましょう!
Thanks a million ☆彡